催眠術はどんな歴史があるか。
18世紀頃より医学が進歩してきて魔女や魔術師が医者であったが、
死体解剖が許可になったので解剖・病理学の進歩が急進したころであります。

 ウイーン内科医フランツ・アントン・メスメル(Mesmer, A.F.1734~1815) 動物磁気説を唱えた彼はオーストリアのコンスタンス湖のほとりの村に生れ、メスメルの動物磁気説を唱えた頃は世人からインイチキ者・ペテン師・山師と呼ばれていたのであります。それは自然科学(物理学)がその頃目覚ましい発達を遂げたが、彼はこれを全く関与なく自論を主張したからです。

 人体科学とは医学(生理学)に対し心理学或いは精神医学という学問は今でもその関係は暗黒な部分が多いしか考えざるを得ない状況であります。

 ではメルメル磁気説を唱えたのは何であるか? 現在の暗示であります。磁気説といい暗示の影響力を持つ強い力を世にはじめて明らかにして、世人の耳目をそばだて、健康えの道を暗示によって強化し人の心の奥底に潜んでいる潜在活動を普通の医学治療ではとても引き出せないものを思いも依らない力が働き生活力を高めることが出来るという、現代精神療法の第一歩を踏み出す扉を開いたのはメスメル先生です。
 
 彼はウィーンの豪華な邸宅に住み、音楽を好み社交的な内科医であり偉大な音楽家モーツァルトとも友好関係があり、また彼も演奏家の一人でありウィーンの名士であり、芸術と学問の支援者として過せば、極めて平穏な人生を送る事が出来たでしょう。

 しかし、彼はある時 不思議な現象を発見したため、その研究に没頭した。
 彼の手を患者の体に触れるか触れないかの距離で患者の体を撫でる(パス)そうすると患者の体はこれに反応動揺して、その結果として病気がドラマチックに治るのです。

 彼はこの方法を手から磁気が出ると唱え、また「遊星が人体に及ぼす影響」rと言う論文を発表しました。
 この双方から現代的に要約すると「他から与えられた固有な影響力がその個体の被影響性に著しい影響力を与える事ができます」。
 
 これは現在の暗示と催眠との関係です。この治療は大変な盛況を極め彼の治療室の門前に貴族の車〔当時は馬車》が市をなして居たそうで、馬蹄の食事や馬の飼い葉,水と更に大勢の人達が集まる。また彼の治療室の予約を取るのはスカラ座の初日の前売り券を買うより難しかったと伝えられています。

 彼の理論は人体から出る動物磁気を患者に感応させるとヒステリー様な発作を起こしばたばたと倒れその侭昏睡に入るのである。覚めたときは大変よい気持ちになつて居ます。悩みを持つ多くの患者から磁気療法に期待を持つたため、彼の治療所は患者達で門前市をなした。といわれています。

 余りにも大勢の患者が押し寄せるので磁気桶と言う桶に水を入れその中に鉄材や鉄粉入れて桶の周囲に鉄棒を出し、この棒を患者に触らせて行なう約30人位の集団療法をしましたが、更に捌き切れなくなると樹木に磁気力を励磁してこの樹に触れると磁気状態になるということです。

 科学的な理論を無視し磁気説を彼は強調した事と、婦人の治療に当ては患者の太ももと彼の太ももを挟むような体位で対応し腋や胸と子宮等を押したり擦たりして治療したので、風俗的に良くないと言う事と、パリのメスメルリイスム調査委員会は「動物磁気」は存在しないと言う結論でメスメル名声も地に落ちパリを去りホーデン湖の辺で1814年に80歳で華やかであった人生が裏腹で寂しい人知れず生涯を終わったのです。

 心理療法の先駆者である彼が我々に教えてくれた事。

1. 心理療法の中で催眠・暗示療法は使い方によつては最も強力な手段である事。
2. 心理療法には根底に性問題があるが、これを適切に解決する事が優れた催眠療法家です。
3. 催眠療法に眞に尽瘁する治療家は終生は幸福に終わる事は難しい。心理療法と医学療法の違いを社会と国(福祉)がもつと良く理解しなければ改善できない。その結果は不利なのは治療家とクライアント(患者)です。
4. 治療家の立場 監督者や社会の理解なければ安定した生活が出来ない。対社会的に有意義な治療をしていても大きくなっていくと必ず弾圧される。投薬できる医師には訓練を中心とする心理療法は難しい。
5. クライアント(患者)の立場 上述の様に心理治療家に献身的で努力家の専門家は出来難いので、患者の立場であれはこの社会環境では立派な先生に遭遇する事は先ず難しい。